大学生の税金はいくら?所得税・住民税の仕組みをわかりやすく解説

お金を学ぶ

「大学生でも税金って払うの?」

「アルバイトはいくら稼いだら税金がかかる?」

「給料から所得税が引かれているけど、なんで?」

大学生になってアルバイトを始めると、税金について気になることが増えてきます。

特に最近は「103万円」「123万円」「136万円」「150万円」「178万円」など、さまざまな年収ラインを目にするため、

「結局、自分はいくら稼いだら税金を払うの?」

と混乱している人も多いのではないでしょうか。

大学生がアルバイトをするときに、まず知っておきたい税金は、

  • 所得税
  • 住民税

の2つです。

さらに、親の扶養に入っている大学生の場合は、自分自身の税金と親の扶養は別々に考える必要があります。

この記事では2026年時点の制度をもとに、

  • 大学生にも税金はかかるのか
  • 所得税とは何か
  • 住民税とは何か
  • 年収いくらから税金がかかるのか
  • 給料から所得税が引かれる理由
  • 扶養との違い
  • 税金を払いすぎた場合はどうするのか

について、初心者にも分かりやすく解説します。


大学生でも税金はかかる?

結論からいうと、

大学生でも一定以上の所得があれば税金がかかります。

「学生だから税金を払わなくていい」という制度ではありません。

大学生でもアルバイトで給料をもらっていれば、収入や所得などの条件によって所得税や住民税が発生する可能性があります。

ただし、

「アルバイトで1円でも稼いだら税金がかかる」

というわけでもありません。

税金を計算するときには、給与所得控除や基礎控除などの仕組みがあるからです。


大学生に関係する税金は主に2つ

アルバイトをしている大学生がまず知っておきたいのが、

所得税と住民税

です。

名前は似ていますが、それぞれ違う税金です。

所得税住民税
納める先国都道府県・市区町村
何に対して?所得前年の所得など
税率所得に応じて変わる所得割など
大学生も対象?条件を満たせば対象条件を満たせば対象

それぞれ詳しく見ていきましょう。


所得税とは?

所得税とは、その名のとおり個人の所得に対してかかる国の税金です。

ここで覚えておきたいのが、

「収入」と「所得」は同じではない

ということです。

アルバイトの場合、基本的には給料として受け取った金額が「給与収入」です。

そこから給与所得控除を差し引いたものが「給与所得」になります。

さらに、基礎控除などの所得控除を差し引いて、最終的に課税される所得を計算します。

イメージとしては、

給与収入
↓
給与所得控除を引く
↓
給与所得
↓
基礎控除などを引く
↓
課税される所得

という流れです。

「年収100万円だから100万円全部に税金がかかる」というわけではありません。


2026年は年収いくらから所得税がかかる?

ここは特に重要です。

2026年度税制改正によって、所得税の基礎控除と給与所得控除が見直されました。

2026年分について、給与収入だけでほかに所得がなく、基礎控除などの条件を満たす一般的なケースでは、

給与収入178万円以下なら所得税はかかりません。

国税庁も、給与収入が178万円以下でほかに所得がなければ、所得税等はかからないと案内しています。

つまり、

「所得税は103万円を超えたらかかる」

という昔のイメージは、現在の制度にはそのまま当てはまりません。


どうして178万円まで所得税がかからないの?

2026年分では、給与所得控除の最低保障額が74万円に引き上げられました。

さらに、合計所得金額が一定以下の場合、所得税の基礎控除は104万円となります。

そのため、給与収入だけの一般的なケースなら、

74万円+104万円=178万円

が、所得税がかからない一つの目安になります。

ただし、これはあくまで給与収入だけで、ほかに所得がない一般的なケースです。

副業や投資など別の所得がある場合などは計算が変わる可能性があります。


じゃあ「160万円」は何だったの?

「所得税は160万円までかからないって聞いたけど?」

と思った人もいるかもしれません。

これも間違った情報ではありません。

2025年分の税制では、給与収入だけでほかに所得がない一定の場合、

160万円

が所得税の課税最低限として広く紹介されました。

しかし、2026年度税制改正によって基礎控除や給与所得控除がさらに引き上げられ、2026年分では178万円になっています。

つまり、

103万円 → 160万円 → 178万円

というように、税制改正によって基準が変化してきたわけです。

ネットで税金について調べるときは、「何年分の情報なのか」まで確認することが重要です。


所得税はいくら払うの?

「178万円を超えたら、いきなり何万円も税金を取られるの?」

と心配になるかもしれません。

基本的には、そのような仕組みではありません。

所得税は、

年収全体にいきなり税率を掛けるわけではない

からです。

給与収入から給与所得控除を差し引き、さらに基礎控除などの所得控除を差し引いて、残った「課税所得」に対して税率を掛けます。

所得税は所得が増えるほど税率が高くなる「累進課税」という仕組みで、課税所得が1,949,000円までの部分の税率は5%です。

そのため、

「178万円を1円超えたら一気に大損する」

と考える必要はありません。


給料から所得税が引かれているのはなぜ?

アルバイトの給与明細を見て、

所得税 ○○円

と書かれていることがあります。

「178万円も稼いでいないのに、なんで税金を取られているの?」

と思う人もいるでしょう。

これは源泉徴収という仕組みが関係しています。

源泉徴収とは、勤務先が給料を支払うときに所得税などをあらかじめ差し引き、本人の代わりに国へ納める仕組みです。

そのため、

給料から所得税が引かれた=最終的にその金額の所得税を払うことが確定した

という意味ではありません。

年末調整や確定申告によって年間の正しい税額を計算すると、払いすぎていた所得税が戻ってくる場合があります。


年末調整とは?

年末調整とは、勤務先が1年間の給与や控除などをもとに、本来納めるべき所得税額を計算し直す手続きです。

毎月の給与から源泉徴収されている所得税は、あくまでその時点で計算された金額です。

そのため年末に、

実際に払うべき所得税
-
すでに給与から引かれた所得税

を計算して調整します。

払いすぎていれば還付され、足りなければ追加で徴収されることがあります。

大学生でもアルバイト先で年末調整をしてもらうケースがあります。


確定申告が必要になることもある?

大学生でも状況によっては確定申告が関係することがあります。

たとえば、

  • 複数のアルバイトをしている
  • 年末調整を受けていない
  • 給与以外にも所得がある
  • 源泉徴収された所得税の還付を受けたい

などの場合です。

ただし、確定申告が必要かどうかは、その人の所得や勤務状況によって異なります。

「アルバイトを2つしている=必ず確定申告」という単純な話ではないので、自分の状況に合わせて確認しましょう。

👉 アルバイトの税金や年末調整について詳しく知りたい人は、「アルバイトの税金はどうなる?」の記事で詳しく解説しています。


住民税とは?

次に、所得税と並んで大学生に関係するのが住民税です。

住民税は、

  • 都道府県民税
  • 市区町村民税

などからなる地方税です。

所得税とは別に計算されます。

そして、住民税には大きく、

所得割

と

均等割

などがあります。

所得割は前年の所得をもとに計算される部分です。

そのため、

今年たくさんアルバイトをすると、翌年度の住民税に影響する

という特徴があります。


住民税はいくらからかかる?

ここは所得税より少し複雑です。

なぜなら、住民税の非課税基準は住んでいる自治体や本人の状況などによって違いがあるからです。

そのため、

「全国どこでも年収○万円を超えたら住民税がかかる」

と一律に説明するのは正確ではありません。

また、所得税と住民税では控除額や計算方法も異なります。

つまり、

所得税が0円でも、住民税がかかる

というケースがあります。

「所得税がかからない年収だから税金は全部0円」と考えないようにしましょう。


所得税と住民税はいつ払う?

所得税と住民税では、支払うタイミングにも違いがあります。

所得税

アルバイトの場合、給与を受け取るときに源泉徴収されることがあります。

その後、年末調整や確定申告などによって最終的な税額を精算します。

住民税

基本的に前年の所得をもとに翌年度の税額が決まります。

そのため、

「去年アルバイトをたくさんしたら、今年になって住民税の通知が来た」

ということがあります。

社会人になる直前の大学生などは特に注意したいポイントです。

大学4年生のときにアルバイトである程度稼いでいれば、就職後の住民税にも前年の所得が反映される可能性があります。


税金と扶養は別物!

大学生が特に混乱しやすいのがここです。

自分に税金がかかるかどうか

と、

親の扶養に入れるかどうか

は別の話です。

2026年分では、給与収入だけの場合、

本人の所得税 → 178万円以下なら原則かからない

という基準があります。

一方で、親が扶養控除を受けるための扶養親族の所得要件は、給与収入だけの場合136万円以下が一つの基準です。

さらに19歳以上23歳未満なら、136万円を超えても「特定親族特別控除」によって親の控除が一定範囲で残る仕組みがあります。

つまり、

「自分に所得税がかからない=親の税金上の扶養も問題ない」

ではありません。

ここは必ず分けて考えましょう。

👉 大学生の扶養については、「大学生の扶養はいくらまで?」の記事で年収ラインを詳しく整理しています。


「年収の壁」は何の壁なのか確認しよう

大学生のお金について調べると、

  • 103万円
  • 123万円
  • 130万円
  • 136万円
  • 150万円
  • 160万円
  • 178万円
  • 197万円

など、本当にたくさんの数字が出てきます。

「もう何が何だか分からない!」

となるのも当然です。

しかし、これらを全部「税金がかかる壁」と考えるから分かりにくくなります。

実際には、

本人の所得税なのか

親の税金なのか

社会保険なのか

によって意味が違います。

たとえば2026年分では、

178万円 → 本人の所得税

136万円 → 親の税金上の扶養

150万円未満 → 19歳以上23歳未満の社会保険上の扶養

というように整理できます。

👉 103万円の壁が現在どう変わったのかについては、「103万円の壁とは?」の記事で詳しく解説しています。


大学生が税金で損をしないために知っておきたいこと

税金について最低限覚えておきたいポイントを紹介します。

給与明細を確認する

まず、自分の給与明細を確認する習慣をつけましょう。

見るべきなのは、

  • 総支給額
  • 所得税
  • 社会保険料
  • 手取り額

などです。

「銀行口座に入った金額だけを見る」のではなく、何が差し引かれているのか確認してみましょう。


源泉徴収票を保管する

アルバイト先から「源泉徴収票」を受け取ることがあります。

源泉徴収票には、

  • 1年間の給与
  • 源泉徴収された所得税
  • 各種控除

など、税金に関する重要な情報が記載されています。

確定申告などで必要になる場合もあるため、受け取ったら保管しておきましょう。


複数のアルバイトをしている人は特に注意

大学生の場合、

「平日は飲食店、休日は別のアルバイト」

のように掛け持ちしている人もいるでしょう。

税金を考えるときは、基本的に1つのアルバイト先だけを見るのではなく、年間の給与収入全体を確認することが重要です。

「A店では80万円、B店では70万円だからどちらも大丈夫」

ではなく、合計すると150万円です。

年収ラインを確認するときは、合計額を把握しておきましょう。


古い「103万円」だけで判断しない

税制は変更されることがあります。

実際に、大学生にも関係する所得税や扶養の基準は近年大きく変わっています。

ネットには数年前の記事も大量に残っているため、

「この記事は何年の制度について書かれているのか?」

を確認することが大切です。


大学生の税金についてよくある質問

Q. 大学生なら税金は払わなくていい?

いいえ。

学生であることだけを理由に、すべての税金が免除されるわけではありません。

所得などの条件によって所得税や住民税がかかる可能性があります。


Q. 2026年は年収178万円まで所得税0円?

給与収入だけでほかに所得がなく、基礎控除などの条件を満たす一般的なケースでは、178万円以下なら所得税はかかりません。

ただし、住民税や親の扶養、社会保険は別に考える必要があります。


Q. 給料から所得税を引かれているなら税金を払う必要がある?

必ずしもそうとは限りません。

給与から所得税が源泉徴収されていても、年間で計算すると所得税がかからず、年末調整や確定申告によって戻ってくる場合があります。


Q. 所得税が0円なら住民税も0円?

そうとは限りません。

所得税と住民税は別の税金で、控除や非課税となる基準も異なります。


Q. 178万円までなら親の扶養も大丈夫?

いいえ。

178万円は本人の所得税についての目安です。

親の税金上の扶養や社会保険の扶養には別の基準があります。

👉 扶養について詳しく知りたい人は、「大学生の扶養はいくらまで?」の記事を確認してください。


まとめ|大学生でも所得税・住民税について知っておこう

大学生でも、アルバイトなどで一定以上の所得があれば税金がかかる可能性があります。

特に知っておきたいのが、

所得税と住民税

です。

2026年分では、給与収入だけでほかに所得がない一般的なケースなら、年収178万円以下では所得税はかかりません。

ただし、

所得税がかからない=すべての負担がない

という意味ではありません。

住民税には別の基準がありますし、親の扶養や社会保険にもそれぞれ異なる年収ラインがあります。

大学生がお金について考えるときは、

①自分の所得税

②自分の住民税

③親の税金上の扶養

④社会保険上の扶養

を分けて考えることが大切です。

そして、給与から所得税が引かれている場合でも、年末調整や確定申告によって戻ってくる可能性があります。

まずは毎月の給与明細を確認して、

「自分はいくら稼いで、何が引かれているのか」

を知るところから始めてみましょう。

👉 大学生の扶養について知りたい人は、「大学生の扶養はいくらまで?」の記事へ。

👉 アルバイトと税金の関係をもっと詳しく知りたい人は、「アルバイトの税金はどうなる?」の記事へ。

👉 税金・保険・扶養をまとめて勉強したい人は、「大学生が知っておきたいお金の基本」の記事も参考にしてください。

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